ねこめんたる

ねこみたいにいきたい

臨床心理士に実際なって思ったこと

こんにちは。ねこめんたる管理人の「ねこめ」です。

 

 

今回は実際に臨床心理士として働いていた時のことを体験談を交えてお伝えします。

  • 実際に働くとどんな感じ?
  • 気になってるけれど想像がつかない!
  • 名前は聞いたことあるけど何してるの?

このように少しでも興味のある人や心理士を目指している人の参考になれば幸いです。

 

 

「ねこめ」ってどういう人?

改めて、管理人についてのおおまかな情報はこちら

 

 

ざっくりとお伝えすると、ストレートで臨床心理士公認心理師を取得した30代の主婦です。現在は臨床活動はお休みしています。

 

心理職へと進んだ一番最初のきっかけは母からの「(対人援助系に)向いているんじゃない?」の一言でしたが、周囲からは「他人に興味ないよね」「己が道を行くタイプ」と言われることが多いです。

ですので、福祉系・心理系に進路を進めたときには、周囲の人に驚かれたことを覚えています。

 

実際どうしてその進路を選んだのかというと、「なんとなく興味がわいたから」というのが一番でした。

高校生のころの私はまだうすぼんやりとした将来のビジョンしかなく、そのくらいの気持ちで選択していました。

 

そんな私が心理士として働いていた時に感じていたときの良さや大変さをいくつかリストアップしてみました。

 

心理士になってみてよかったこと

①知識を深めることができた

ケガをしたときに絆創膏を貼る、熱があるときは安静にして病院へ行く…などと同様に心の病気のなり始めも早め早めの対処が大切です。

しかし、心の病気の違和感はわかりにくいものも多く、自分の体だとしても早めに気づくことがとても難しいです。

そのため、心理士としての専門知識を学び、自分や自分の大切な人を守ることができる方法を増やすことができたことが良かった点です。

 

②自分のケアができるようになれた

①に関連することですが、自分自身の健康な状態を丁寧に把握することができるようになりました。

 心身ともに健康な時の私は

  • 食事:抜いたりしない。たくさんたべる。
  • 睡眠:いっぱい寝る。8時間はねる
  • 趣味:楽しくやれる。やらなきゃ、とならない

という状態ですが、心身のバランスが崩れると

  • 食事:何を飲食しても胃腸が不調
  • 睡眠:なんだか寝れずにスマホをいじりすぎる
  • 趣味:やらなきゃ、でやろうとする。何もできずスマホをいじる。

となってしまうのです。

 

とても単純なことかもしれませんが、これらの異変が出たらなるべく休んだ方がいいことや、そうなるまで予定を詰め込んだりしないで余裕をもって過ごせるようになりました。

 

③腰を据えて物事にじっくり向き合う力がついた

大学院での専門的な学習や実際臨床心理士として働く中で、少しずつの変化を一緒に感じながら過ごすこと、見逃さないことが大切だと知りました。

もともと私個人はとてもせっかちで、物事はさっさと解決してすぐ次のことに取り組みたいタイプでした。

しかし、カウンセリングではそのペースでやってしまうと相手を置き去りにして自分だけが満足するような状態に陥りがちです。

そうではなく、腰を据えて「よしどうやっていきましょうかね」と目の前の物事に対して場所を変え、時間を変え、角度を変え…とじっくり向きあって考えていくことでしか出会えないものがあるのだと思います

 

余談:創作物をさらに別の視点で楽しめるようになった

私の趣味の一つに読書、特に小説があるのですが、その楽しみ方の幅が増えました。

元々小説を読む際には、いろいろな登場人物の立場を追いながら何度も読み返すことが多いのですが、そこに加えて心理学的な視点を踏まえて読むことで楽しむ方法です。

児童文学などは特に対象年齢とその発達段階、家族との関係性の変化なども踏まえて読んでいくとよりおもしろさの幅が広がっていくように感じました。

実際その捉え方があっているかどうかは別として、「知識を生かして楽しむ」ことが結果的に知識の定着につながっていた気がします。

 

心理士になって大変だったこと

 

①想像以上にやることが多くて大変

心理士の主な仕事は「カウンセリング」「心理検査という2本柱がイメージされやすいと思いますが、それ以外の業務も多かったです。

職場環境によると思うのですが、私の勤めた病院は心理士の関わることのできる仕事が多く、経験させてもらえる仕事も多かったです。特に多職種で連携することが当たり前にあるのも特色でした。

例を挙げると、外来でのグループワークや院外での講師業務、病棟でのグループワークや家族へのフォローなど、あげていくときりがないです。

刺激も多く、いろいろなことができるのは経験にもなるのでとても楽しく、やりがいもあったのですが、大学院の同期に驚かれる程度には業務量が多かったみたいです。

 

②研修で土日がつぶれがち

臨床心理士として自己研鑽するためには仕方のないことなのですが、定期的に研修や学会などがあり、これに参加しなければなりません。

そして旅費や会費などで出費も重なることも多く、「わかってはいるけどしんどい!」という部分でした。

 

③「話したら心の中がぱぱっとわかるんでしょ」という周りの誤解

なぜか持たれやすい誤解・幻想です。飲み会の席で「しゃべったら性格とかわかるんでしょ!」と言われたり。

そんなことはありません。

声を大にして言いたい。

しいて言えば人の心ってそんなほんの一瞬だけではわからないということがわかっているだけです。なんでもわかるエスパーのように言われることが少ししんどかったです。

 

おわりに:大変だけどやりがいはとてもあった。

その一言に尽きます。本当に大変でしたが、それ以上にとても楽しくやりがいが大きかったです。

私自身、よく周りの人に勘違いされていたのが、「カウンセラーになるなんて、昔から固い決意で頑張っていたに違いない!」という点です。

(ほかの方はわかりませんが)実際そんなことはないんです。ほかの将来の夢や進路を決める過程とそう変わりはないと思います。

むしろ過度に期待したり、理想ががちがちに固まっていない方が臨機応変にできていいと思っています。

 

心理職を目指している方には私の体験が少しでも参考になれば幸いです。

また自分の仕事やこれからについて改めて考えるきっかけになれたら嬉しいです。